JUICHI WAKISAKA

レーシングドライバー 脇阪寿一 OFFICIAL BLOG

2005.4.17

スパ1000Km決勝日

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天候雨。朝のフリー走行もブレーキの問題があり道上選手のみの走行。決勝に不安は残るがしょうがない。スタートドライバーは道上選手。僕が2番手で荒選手が3番手。それぞれ2スティントずつ計6スティントで1000Kmを走りきる予定です。雨の降りしきる中スタート。
スタートポジション7位から6位に順位を上げ走行。途中、雨が弱まりペースが上がらず10位ぐらいまで順位を下げました。レースも2時間が過ぎようとするときにオールージュを抜けたストレートエンドで多重クラッシュ。このコースはスピードが半端じゃないせいか車の壊れ具合も半端じゃないです。車の撤去と同時にガードレールの補修、溶接までするためかなりの時間を費やします。
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セーフティーカーが導入されそのタイミングでピットイン。道上選手から自分に交代。
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路面はまだウエット状態にもかかわらずドライタイヤでコースイン。これにはまいりました。コースも車も経験不足の僕に濡れている路面をスリックタイヤ。幸いセーフティーカー先導のため数周はゆっくりと完熟走行みたいにコースを走れたのですが、逆にせっかくタイヤウォ―マー(ピット内でタイヤを適温まで暖めておく装置。日本ではフォーミュラ日本、スーパーGTとも使用禁止。F1はOKですよ。)で暖めたタイヤが冷えてしまいグリップしなくなりました。いざ再スタート。童夢のS101はブレーキに問題を抱えておりさらにフロントタイヤのウォーマップ性能が悪くスタート直後はフロントタイヤがグリップしません。この悪条件のなかレースを乗り切ることを与えられたミッションと考え自分の力、経験を出し切りがんばりました。幸いコースは徐々に乾きだしペースも上位と同じレベルにまでなりポジションは5位まで上がりセーフティーカーのタイミングで荒選手に交代しました。
荒選手は僕よりワンランクハード目のタイヤでコースアウト。するとまたもやスパウェザー。霧雨が路面を濡らしました。ピットアウトしてすぐにもらい事故に合い緊急ピットイン。その後もペースがライバルよりも1周20秒も遅く、完全にタイヤ選択をミスしました。その後のセーフティーカーのタイミングでピットイン。僕がつけたタイヤと同じ物に付け替えピットアウト。しかしコンディションはさらに悪化しラップタイムが上がりません。次のルーティーンピットでようやくインターミディエートタイヤ(レインタイヤの浅溝)を選択。ようやくペースも上がりました。このタイヤを着けるまでの荒選手は本当に大変だったと思います。ご苦労様です。

そうこうしているうちに上位陣のリタイアもあり8位ぐらいまで下がっていた順位は4位まで上がり3位の車を猛追。僕と道上選手は上位3台に呪文をかけリタイアを促しましたが義務時間の6時間を過ぎたところでチェッカー、表彰台を逃しました。

言い訳ですが・・・・・。まずブレーキに問題を抱えておりこれでは3人とも走れません。あと、セーフティーカーが出たときのピットインのタイミング。これはレースが終わった後から聞いた話ですが、日本と違いセーフティーカー中にピットインするとピットロードの出口が必ず次の周にセーフティーカーが通過するまで閉められてしまうとのことです。要するにセーフティーカーが出ているときにピットに入ってしまうと丸1周損をするということです。僕たちは合計で4回セーフティーカー中にピットに入りました。ということは簡単に計算して4周損した計算になります。これは致命的ですよね!!もう少し状況に合わせたタイヤ選択と共にレースマネージメントをしっかりしてもらわないと。セーフティーカーの導入の際のルールはルマンとも違っていたそうですが、やっぱり悔しいですね。これらが無ければおのずと決勝結果は・・・・・。

そうです。そうなんです。しかもブレーキに問題を抱えていてこの結果。童夢S101の潜在能力は凄いような気がします。レースの組み立て、これからのTESTでの問題解決しだいでは凄いことが見える気がします。ホンダのエース道上選手、去年のルマンチャンピオン荒選手と共に僕の夢、野望は広がります。
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これから問題解決のためフランス、ポールリカールサーキットへ向かいます。日本ではフォーミュラ日本第2戦鈴鹿で井出選手が優勝したそうで、おめでとうございます。
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