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BBS Racing Shigekazu Juichi
 
Hot Mail 初めてのサッカー観戦日記。
 

●JGTC Rd.8 REPORT


全日本GT選手権はいよいよ鈴鹿サーキットで最終戦を迎え、チャンピオンを賭けて最終決戦の時を迎えた。 ここまでのシリーズポイントは、1位脇阪寿一・飯田章組エッソウルトラフロースープラ61ポイント、2位竹内浩典・立川祐路組auセルモスープラ59ポイント、3位無限NSX伊藤大輔58ポイント、4位RAYBRIG NSX光貞秀俊53ポイント、5位松田次生・ラルフファーマン組Mobil 1 NSX52ポイント。
 

ウエイトハンデはトップのエッソウルトラフロースープラ50Lに対し、2位のau70L、3位の無限が100Lとエッソウルトラフロースープラにやや分がある。
「70Lは確かにつらいけれど、ベストを尽くすだけ。」(立川祐路)
「後は勝ちたいという執念の差だと思う」(竹内浩典)
というライバルに対してエッソウルトラフロースープラ土沼広芳監督は「戦いは予選の今日から。GT選手権は予選上位3位までに1ポイント、決勝のベストラップ3位までに1ポイントずつ加算されますから、決勝で勝つのはもちろんですけど、獲れるポイントは全部とりにいきます。 金曜日の練習走行1回目がトラブルでほとんど走れなくて、第1打席はいきなり空振り三振、2回目はまあまあだったのでセンター前ポテンヒットでしょうか。予選からホームランといきたいですね。真夏の鈴鹿1000Hレースではスープラが速かったですけれど、気温が下がるとNSXも速いですから、とにかく勝つとチャンピオンですから勝つだけですね。 もちろんそれ以外のいろいろなケースも想定はしています。」

予選1回目、その言葉を裏付けるように脇阪寿一がアタック。
開始14分で1分55秒811のベストタイムをマーク。Mobil 1が2位、auが3位につけた。おそらく2回目の予選ではさらにタイム更新がされると思われる。
2回目の予選。各車マシンをチェックし、残り10分となった時点でニュータイヤにはきかえアタックがはじまった。残り3分。Mobil 1 NSXラルフ・ファーマンがベストタイムを出すもののシケインショートカットでタイムを抹消されてしまう。
エッソウルトラフロースープラ脇阪寿一は残り1分で1分55秒810で1回目のタイムを更新。コースレコードでポールポジションを獲得した。

脇阪寿一コメント
「クルマが完璧でした。あまりポールは意識していなくて、3位以内に入ってとにかく1ポイントを獲得することを考えていました。 今まではウエイトを考えて4位狙いとかもありましたけれど、今日は思いきりいっていいとチームから指示が出て、気持ち良く走れました。久しぶりに楽しかったです。ポールポジションはかなりライバルにもプレッシャーになったと思います。」


いよいよ決戦の時は来た。スタートドライバーは飯田章。ところが飯田はスタートしてすぐに3台にかわされ、4位に順位を落としてしまう。
「今年はアキラがサポートに徹してくれたから今の成績がある。アキラが前半我慢をして無理をしないでクルマをいたわってくれるからこそボクは自由に攻めていけるんで、ボクはいいけどアキラがダメなんて言う人がいるけれど、それだけはとんでもない誤解だと言っておきたい」(脇阪寿一)
「NSXがスタートしてこれほど速いというのは予想してなかった。スタート前シートに座って今から2〜3時間したら自分はどんな姿なんだろう、とチャンピオンを喜んでいる自分とダメだった時の自分の両方を想像しました。そうしたら落ち着けた。だからNSXに先にいかれても『あ、こんなに速いんだ』って割り切れました。だからそんなに無理もしなかった」(飯田章)
飯田章は落ち着いて順位をあげ、22周目4位でピットイン。脇阪寿一にドライバー交替をした。
全車ルーティンのピットインを終えた時点でトップはMobil 1 NSX。2位はARTA NSX。
36周目、エッソウルトラフロースープラはひとつ順位をあげ3位。もしMobil 1 NSXが優勝しても1ポイント差でエッソウルトラフロースープラがランキングトップの位置関係だ。しかし、レース中のベストラップ上位3位まで1ポイントずつ加算される今年のレギュレーション。ベストラップはMobil 1、TAKATA童夢NSXが2位、エッソウルトラフロースープラが3位。もし、他の1台がトップ3のベストラップを出すと、エッソはその1ポイントが加算されず、Mobil 1と同点。そうなると優勝回数の多いMobil 1がチャンピオンになる。
43周目、無限NSX道上龍が突然ピットイン。当初はトラブルかと思われたが、タイヤをソフトのニュータイヤに変えてコースイン。エッソのピットに緊張が走る。ホンダがチャンピオンの権利を失った他車を犠牲にしてベストラップを出しにきたことを知ったのだ。
脇阪寿一はペースをあげ、2位のARTA土屋圭市をおいつめる。ならばもうひとつ順位をあげないとセーフティーにならない。
何も知らない土屋圭市(Mobilと同じHONDA NSX勢)はチャンピオンがエッソに確定したのなら、と、Mobil 1を攻めはじめる。終盤になって3台のトップ争いが激しくなり、スタンドは興奮のるつぼと化す。結局激しいデッドヒートの中、そのままの順位でフィニッシュ。その後フィニッシュした無限NSXのタイムがエッソウルトラフロースープラのベストタイムに届かず、チェッカーを受けて数十秒後に2002年全日本GT選手権シリーズチャンピオンが確定した。

脇阪寿一
「今までタイトルを気にせずガンガンいくレースをしてきた。今年はアキラが自分を押さえてボクのバックアップをしてくれたというのもあって、いくんだけれどタイトルを意識して時には押さえることも必要だと思った。道上(龍)がピットインしてタイム狙いにきたと知って、とにかく土屋(圭市)さんを抜きにいった。相手が土屋さんだったからヘタなことはしないと思って、安心してドッグファイトができた。 結果的に3位のままで、フィニッシュしてダンロップコーナーあたりでチャンピオンになったと無線で知らされ、その時は窓をあけるのも忘れてガッツポーズで天井や窓ガラスに手をぶつけるぐらい興奮した。あまり興奮したりしない方だったけれど、その時だけは自分じゃなかったね。本当にうれしい。」

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