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BBS Racing Shigekazu Juichi
 
Hot Mail 初めてのサッカー観戦日記。
 

●JGTC Rd.7 REPORT

全日本GT選手権はいよいよ残す所2戦。チャンピオン争いが熾烈となってきた。
ここまでシリーズランキングトップはauセルモスープラ竹内浩典・立川祐路57ポイント、2位はRAYBRIG NSX光貞秀俊53ポイント、そしてエッソウルトラフロースープラ脇阪寿一・飯田章は3位51ポイント。4位にMobil 1 NSX松田次生・ラルフ・ファーマン45ポイント。
しかし、エッソウルトラフロースープラ監督土沼広芳は「(チャンピオンの)権利があるのは、ウチとRAYBRIG、Mobil 1の3チーム」と言う。何故かわかるだろうか。GT選手権の難しい戦い方がそこにはある。
それはウエイトハンデだ。RAYBRIG 50L、Mobil 1 70L。しかし、ミッドシップのNSXはフロントヘビーのスープラよりもバランスがとりやすく、ウエイトハンデの影響を受けにくい。しかし、auセルモスープラの90Lはここにきて致命的だ。5位以下でフィニッシュすると20Lのウエイトを降ろせるが、それでも最終戦70L。
第3戦の優勝以来、少しずつウエイトハンデが20L減る5位を目標に着実にポイントを稼ぎつつも50Lまで減らしてきたエッソウルトラフロースープラ。
前戦までの作戦では、このMINEも5位もしくは、ウエイトは減らないまでも増えることもない4位フィニッシュで、最終戦を勝利してチャンピオンということだった。
予選1回目は「タイヤがまったくグリップしなくてブレーキを踏むとロックしてしまう」(脇阪寿一)状態で15位。 午後2回目の予選ではセッティングの変更で午前中の状態は脱したものの、GT300との混走中、パワーステアリングのトラブルで早々とピットイン。交換を余儀無くされた。
その間20分間GT300の占有予選が行われたが、果たして作業は間に合うのか心配された。しかし、運良くGT300が赤旗で10分中断。その後のGT500の占有予選開始には間に合わなかったが、残り10分でコースインすることができた。
それは逆に考えると、もし赤旗が出なかったら間に合わなかった可能性がある。運も味方につけて脇阪がアタック。1分22秒478で9位につけた。
しかし、ポールポジションを獲得したのは、70Lのウエイトを積むMobil 1 NSX。
「このレースで理想は5位。でも、ランキングトップで最終戦を迎えたい。」と言う土沼監督にとって、このMobil 1の速さは驚異となる。
もしこのレースで勝たれると2位となってもランキングが逆転。最終戦がかなり苦しくなるからだ。「とりあえずMobil 1についていく。そして、Mobil 1の戦闘力が70Lを積んでも決勝でも優勝を狙えるほどの時は、5位狙いなんて言っていられなくなる。できれば前に出なければならない。今回のレースは臨機応変に戦うことになります。」と厳しい表情となった。
 

気温12度。予想外に低い真冬のような気温となった決勝。
スタート直後1コーナーでトップにたったのは、予選2番手トクホントムススープラ土屋武士。その後2コーナーでARTA NSXがスピンしauセルモスープラ、TAKATA童夢NSXを含む多重クラッシュ。それをよけるために急減速したエッソウルトラフロースープラ飯田章も後続車に追突され11位に順位を落としてしまう。
狭いMINEのコース。毎年荒れる展開となるが、今回も序盤からエリック・コマス、ブノワトレルイエのスカイライン勢も相次いでコースアウト。コマスはマシンを降り、トレルイエはピットイン。飯田章は8位に順位を戻す。
トップ争いはトクホン土屋武士、Mobil 1ラルフファーマン、無限NSX伊藤大輔の3台がテイル・トゥ・ノーズで息を飲む激しい争い。バトルでラップタイムが落ちている間にトップよりも速いラップタイムで飯田章が猛追する展開となった。
30周、相変わらずトップ争いは3台。1分25秒台の好走を見せる中、飯田章のペースが徐々に落ちはじめ、1分27秒台。トップとの差は17秒と開き、31周目、まずはトップ争いの1台、無限NSXがルーティンのピットイン。
76周のこのレース、各ピットが中盤に入りあわただしくなってきた。そんな中、33周目、エッソウルトラフロースープラピットイン。ドライバーが飯田章から脇阪寿一に交替した。
35周でピットインしたトクホントムススープラ。交替したばかりのワインガードナーがアウトラップでスピン。順位を落としてしまう。
パートナーの土屋武士もさすがに苦笑い。脇阪寿一は38周目1分24秒244のベストラップを出しながら、各チームのピットインを待った。
40周目、Mobil 1 NSXがピットイン。アウトラップで無限にかわされた直後コースアウト。RAYBRIGもスピン。
今回はやはり予想以上に気温が低く、タイヤが暖まりにくいせいか、アウトラップでのスピンコースアウトが多発する。
エッソウルトラフロースープラはコース復帰したMobil 1の真後ろ。4位に浮上。これで理想的な展開となってきた。
「決勝はチームの方針に従います」と予選後コメントを残した脇阪寿一。
Mobil 1を抜いてポイントを優先させるか、それともウエイトを優先(4位ならばプラスマイナス0)させるか、土沼監督の采配が注目される。これが2位争いならば前に出ることを優先させるのだが。しかし、もし、このまま3位と4位の関係でフィニッシュすればシリーズポイントはエッソウルトラフロースープラがトップに立ち、しかもウエイトは増えない。そうこうするうちに63周目5位のデンソーサードスープラがペナルティストップ。かわって5位となったARTA NSXとの差は20秒あり、このままペースキープする様子だ。さらにARTA NSXもペナルティストップ。予選のトラブルで悪運をすべて払ったかのようにそれ以降はエッソウルトラフローの理想的な展開。
70周目、Mobil 1がスローダウン。Mobil 1もまた、優勝以外ならばウエイトを降ろす方を選んだのだ。
ピットが混乱し、無線が飛び交う。脇阪は抜かずに真後ろでスローダウン。5位のトクホントムススープラが2台を抜き去ったのを見て、エッソはMobil 1を抜き、4位キープ。5位にFKマッシモスープラをはさむ展開となり、結果6位でフィニッシュしたMobil 1よりも多くポイントを獲得するという、GT選手権ならではの戦い方でシリーズランキングトップとなった。
この結果、エッソウルトラフロースープラが61ポイントでトップ(ウエイトハンデ50kg)。それをauセルモスープラが2ポイント差(70kg)、無限NSX伊藤大輔が3ポイント差(100kg)、RAYBRIG NSX光貞秀俊が8ポイント差(30L)、Mobil 1NSXが9ポイント差(50L)で追う展開。
こういう作戦に対して賛否もあるかもしれない。しかし、ウエイトハンデというGT選手権に定められた規則がある以上、そしてシリーズチャンピオンをかけて戦う以上こういう戦略でシリーズを戦わなければチャンピオンを獲得するのは不可能に近い。

これは今に始まったことではなく、過去のチャンピオンすべてがこういう戦い方をしてきているのだ。そういう意味では、エッソもMobil 1も優勝した無限もチャンピオンをとるためにやるべきことをやり、GTアソシエーションにとっては観客を楽しませるためだったウエイトハンデというレギュレーションとは裏腹な展開となり、今のレギュレーションの問題点が浮き彫りとなったレースとなった。GT選手権が「プロレス」と揶揄されないためには善処が必要であり、波紋を投げかけるレースとなったのかもしれない。
最終戦は11月17日鈴鹿サーキット。シリーズチャンピオンをかけての決戦となる。 今度こそ、それぞれが必死に優勝とチャンピオンをかけた見どころのある戦いとなるはずだ。

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