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2007/3/22

『SUPER GT Round4』

前回、富士での戦いからおよそ1ヵ月半。第4戦の戦いは日本を離れ、マレーシア・セパンへ。SUPER GT唯一の海外レースとしてもはや恒例となった灼熱戦が待ち受ける。シリーズ前半戦の終結戦でもあり、またシリーズ後半の見通しをつける一戦だが、正直なところ、前半戦を堅調に戦ってきたNo.36 PETRONAS TOM'S SC430にとっては、上位狙いのレースではなく、後半戦を見据えた戦いに重点を置くことになる。だが、その中で常にベストなパフォーマンスを目指すのは言うまでもない。 金曜日の練習走行は午前と午後の2度実施。路面コンディションが今年1月に行ったテスト時から大きく変化していたため、クルマのセッティングを合わす作業に時間を費やすことになった。土曜の予選では、1160kgというSC勢で一番ヘヴィウェイトの車両を惜しくもスーパーラップへと導くことはならず、12番手どまり。しかし、決勝では荒れる展開の中で、自らのチーム戦略にのっとり着実なレースを実践。7位でチェッカーを受け、これからさらに混沌となるシリーズ戦に向けて手応えある戦いをしてみせた。これにより、No.36 PETRONAS TOM’S SC430はドライバーポイントで再び2位へ浮上している。

 

 

sepang

 

■6月20日・金曜日 公式練習 セパンといえば、灼熱の暑さ。だが、今年は総体的にうす曇の天候が多く、とはいえ蒸し暑さはほぼ例年通り。まずはセパン仕様になったマシンチェックのため、練習走行を行った。 「路面が去年のレース、そして今年1月のテスト時よりも、“枯れている”と感じた」と脇阪。これは路面のμ(ミュー)の高低を意味するのではなく、路面の舗装そのものが劣化しているという意味合いになる。通常、レースウィークに入るとタイヤのラバーがのってタイヤグリップが向上したり、逆に雨が降ると、そのラバーが流れ落ちてグリップ力が低下するものだが、今回はコースそのもののコンディションが昨年のセパン戦より、そして今年1月に行ったテスト時よりも悪くなっていることを脇阪は感じとっていたのだ。1月の舗装を想定してクルマのイニシャルセットを準備したチームでは、路面コンディションに対するマシンセッティングの調整をはじめ、現状に見合うマシン作りを意識して入念なミーティングを繰り返した。 「路面がここまで枯れてしまうと、本来、SCであればソフトタイヤを選択するのが筋でしょう。しかしながら今年1月のテスト結果をもとに、クルマ、足回りを決めているし、タイヤもこの時点ではきちんとグリップしていました。ところが状況がガラリと変わってしまい、今の路面ではタイヤがグリップしないんです。あとはセットをやわらかい方向に変えていくことになります」。翌日の予選を控え、今回の戦いが容易ではないものの、決勝でSC勢トップのリザルトを残すことはもちろん、チームとしてベストな戦いをするための準備が着々と進んでいることを脇阪は示唆した。

SC430

■6月21日・土曜日 予選 予選1回目は午前11時から。いつもどおりGT300クラスの占有走行後、11時20分からGT500の占有走行が始まった。気温30℃、路面温度37℃とやはり例年に比べると涼しい状態だ。ただ、陽射しが出ると気温、路面温度ともにすぐ上昇するコンディション。タイミングよくアタックできれば、上位に食い込む可能性もある。 だが、アタック中に期待した暑さは訪れず。結果、アタックを担当したアンドレ・ロッテラー選手のベストタイム1分57秒255は12番手に留まり、スーパーラップ進出はならなかった。その後、GT300クラスとの混走枠では脇阪が出走。決勝用のセッティングを確認する走行を繰り返した。 「クルマは、ガソリンを積んだロングの状態で試した結果、改善すべきことも見つかりました。金曜の練習時には、スピンする要素もあり、コースアウトしないように……という心構えで乗らなければいけませんでしたが、今日のセッティングでは攻めの走りができるように変わってきました。いい方向に向かっていると感じています。短時間でいい手応えを得られるのが、このチームの強み。でもまだ改善の余地があるので、明日またいい方向に調整した状態で走ることができると思います」



■6月22日・日曜日 決勝 午前10時45分から始まったフリー走行。気温28℃、路面温度36℃とレースウィーク中で最も涼しいコンディションとなった。そんな中、No.36 PETRONAS TOM’S SC430はレース同様、まずロッテラー選手がコースイン。半分を過ぎた頃、ルーティンワークのシミュレーションも兼ねてピットインを行い、代わって脇阪がコースへと向かった。 満タン状態のマシンながら、脇阪は好タイムをマーク。決勝に重点を置いたセットアップが着実に進んでいると思われる。走行後の脇阪も「昨日の予選で気になっていたところが、今朝のフリー走行できちんと改善されていました。今回はNSX勢が速く、トップとは2秒ほど差がありますが、決勝に向けて、確実にレースができるクルマへと仕上がっているように感じます。順位争いは厳しいでしょうが、方向性も見つかっているので、決勝ではいい戦いができるでしょう」と自信を覗かせた。 気温の高いマレーシアでの一戦は通常より約2時間遅れ、午後4時に始まった。気温31℃、路面温度40℃と、やはりこの週末は例年ほど暑さが厳しくはならなかった。 ダミーグリッドにマシンをつけた後、脇阪とロッテラー選手、そしてチームスタッフらがスタンドに詰め掛けたペトロナス応援団からの声援に応えると、一層スタンドから大きな歓声があがる。地元大企業のスポンサーカラーのマシンはどこへ行っても大人気で、地元ファンから注目を浴びることとなった。 オープニングラップ、スタートドライバーのロッテラー選手はすぐさまNo.35 SCをパス。加えて、上位にいたNSXとGT-Rの1台ずつが接触により大きく後退。波乱の幕開けを横目に、ロッテラー選手は8番手までポジションを引き上げて戻ってきた。上位陣はGT-RとNSXがハイスピードなポジション争いを展開。したがって、No.36 PETRONAS TOM’S SC430は自分達の戦いに集中しながら周回を重ねていくことになった。 レースは周回数の半分を前にしてルーティンワークが始まる。そんな中、No.36 PETRONAS TOM’S SC430は27周を終えてピットインした。薄曇の続くセパン上空。さらに気温は下がっている。装着されるタイヤはハードタイヤゆえ、きちんと発動するまで時間がかかる。脇阪は現状におけるハードタイヤのパフォーマンスを念頭におき、コースへと向かった。 「タイヤが硬いため、アウトラップはもちろん、最初の15周ほどのラップタイムを稼げない状態だった」と脇阪がレース後振り返ったように、スティント序盤のクルマは慎重に走ることを求められる状態。後半は10番手からの追い上げとなったが、次第にタイヤがグリップしてくると、脇阪は安定したタイムを刻みながら着実な走りでチェッカーを目指した。 42周目。前方の車両2台が最終コーナーで接触。これでポジションは8位に。その一方で、後方からはNo.6 SCの追随が続く。だが、脇阪は一切動じることなく相手の動きを読みながら、レースをコントロールしていった。 レースはこのまま終焉を迎えるかに思われた48周目、またも上位陣に波乱が起こる。No.1 NSXがマシントラブルで緊急ピットイン。これにより、No.36 PETRONAS TOM’S SC430は7位へと浮上する。すでに20秒近く前車との差があったため、そのままチェッカーを迎えたが、No.36 PETRONAS TOM’S SC430はドライバー、エンジニア、チームスタッフがみな力を集結した結果、厳しい条件下の中でベストといえるリザルトを残すことに成功した。セパンを終えた今、ロッテラー・脇阪組はドライバーポイントで再び2番手へ浮上。後半戦に向けてますます勢いづくこととなった。



■脇阪寿一 コメント 「今回はサーキットの路面の変化、選択したタイヤなど、色んな面で調整を必要とする作業がたくさんありました。パワステのトラブルも抱えていましたが、レース前にメカニックがきちんと処理してくれたおかげで、トラブルなしに最後までレースができました。チームとして色んな変化に対し、すぐに調整できる力を発揮することができ、決勝もいい戦いができたと思います。レース自体は天気がいつものようにあまり暑くならず、僕達にとってはやや不利な状況になりました。特に後半、僕のスティントでは路面温度が想定したほど上がらず、それに対しタイヤが硬すぎる状態だったので、前方の車両とバトルをしたくてもできませんでした。ただ、その前方車両がアクシデントで2台とも後退したので、もしバトルになっていたら、同じような結果になっていたかもしれないと思うと、ツキがあったのかもしれません。後方からの追い上げに関しては抑える自信もありました。今回の結果は、チャンピオンシップを考えれば、チームとしてベストだったと思います。ポイント争いでも2位に再浮上できたので、引き続き、レースに強いパフォーマンスをお見せしながら、結果を求めていきたいと思います。今後とも厚いご支援を賜りますと共に、ご応援くださいますよう、よろしくお願いいたします」





 
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